トナカイに乗ってやってきたのは1822年

現在のようにトナカイに乗ってやってくるサンタクロースの話が作られたのは、1822年のことでした。これを作ったのはクレメント・クラーク・ムーア(1777-1863)という神学校の教授。クリスマスに彼が『セント・ニコラスの訪問』という詩を、自分の子どもたちのために創って聞かせたことに端を発します。

「クリスマスの前の晩、みんなが寝静まって…」という一説からはじまるこの詩は、それまでのセント・ニコラスとはまったく異なったものでした。彼がやってくるのは12月5日ではなく「クリスマスの前の晩」になっており、荷馬車ではなく「8頭だてのトナカイがひくソリ」に乗ってやってきます。

陽気な小人のおじいさんで、口笛を吹くや一気に屋根までかけ登ります。おもちゃをいっぱい背負ったまま煙突から降りてきたために、毛皮の服がすすでちょっと汚れてしまいます。その顔は「頬はばら色で、鼻はまるでさくらんぼのよう、おどけたような小さな口元は引き絞った弓のよう、そしてあご髭は霜のように白かった」と描写され、「顔は大きく、丸く突き出した小さな下腹は、笑うとゆらゆら揺れてゼリーの入ったボールのよう」といったように、リアルさと愛嬌をかねそなえた愛すべき好人物でありました。セント・ニコラスのような、馬に乗ったいかめしい聖人の姿はみじんもなく、アメリカにおける新しいセント・ニコラス―つまり、サンタクロースがここに誕生したのです。

引用:フェリシモ出版 フェリシモ クリスマス文化研究所編著 Chiristmas Gallery SANTA CLAUS サンタクロースとその仲間たち